持ちつ、持たれつ。

声豚・現場厨・懐古のクソ三拍子

リプライズのその先へ/秋単2022に寄せて

 2022年も皆さんお疲れさまでした。いかがお過ごしでしょうか。私は2022年に立川ステージガーデンの悪口を言いまくっていたら年越しを立川ステージガーデンでする羽目になり、12/30現在でも現場納めや現場まとめを出来ずにいます。しかも来年4月にも立川ステージガーデンでの現場が決まってるからね。これが因果応報ってわけ。撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだ。胸に刻みます。

 

 とはいえ、2022年、人生サイコーの現場に通わせていただいたので、そのことだけは書きとめておきたくて、こうしてはてなブログを開いております。前置き、長……。

 

 秋単2022、楽しかった~!!!!!

 

 MANKAI STAGE『A3!』に人生を救われたのか狂わされたのかどっちでもいいがそれから早3年9か月、2回目となる秋組単独公演。もちろん大好きな人が出てるから、そりゃ楽しいだろうよ。でもそれだけじゃなくて、演劇として、ひとつの作品として、秋単2022のことが大好きだった! すごく幸せなことだし、ありがたいことだと噛みしめながら、千秋楽まで駆け抜けられたこと、とても大切な記憶になりました。私の走馬灯だいたい秋単2022のことになると思う。

 今までのエーステシリーズのなかでもひと際、構成が好きだった。Twitterでも言ったことだけど、『家出少年』の主人公が「二度とこんな家戻るか!」と実家を飛び出すシーンから始まって、最後は彼の「ただいま」という言葉で終わるのが、あまりにも美しくて。

 それから、秋組の面々がそれぞれの家出の思い出をアレンジ違いの同じ歌に乗せて語っていく『ボーイフッドコラージュ』も、すごく良かった。私は前回の秋単2020のときに「秋組は基本的にタイマンである」と書いたけれど、今回もそれが健在でなんか嬉しかった。好きな人が舞台上にいるとその人しか見られなくなってしまうけど、全員が莇くんとタイマンを張ってくれた(張ってません)ことでちゃんと秋組のみんなを見ることが出来たので……。

 ゾンビランナイトにすらこっそりメロディが仕込まれていたりして、この『ボーイフッドコラージュ』がいかに秋単2022を象徴する音楽なのかがめちゃくちゃ作りこまれていて、いやはやとんでもない舞台に通ってしまったと思わずにはいられない。作りがもはやグラミュである。

 

 この『ボーイフッドコラージュ』は、原作ストーリーのタイトルにもなっている、とても重要な言葉で。秋組のみんなは、莇くんの『家出』に関わることで、自分自身の少年時代を思い返していく。旗揚げ公演のときに秋組がやった『ポートレイト』で語られたことが『自分の半生』であったとするならば、今回の『ボーイフッドコラージュ』で語られたのは『自分の原体験』に他ならない。『原体験』は、『半生』よりももっとそれぞれの心の真ん中に近いところにある。他人のそこに触れさせて貰えること、人生でそうそうない。そんな貴重な経験を忘れたくないから、今回は『ボーイフッドコラージュ』を中心に振り返っていこうかな。

 

 最初は万里くん。

 万里くんのボーイフッドコラージュは、まるでお手本のような、基本に忠実な構成。シーンが進むと、莇くんへの見本としてやってるからだと分かって、にくい演出だなと思った。印象的だったのは、序盤の座り方。今の万里くんがしないような、膝を揃えた座り方をすることで、育ちが良くて賢くて沢山褒められて育った、そんな万里くんの子供時代が見えてくるようだった。

 それから、水江さんは元々歌が上手かったけれど、歌詞に対するニュアンスのこめ方が2020のときより磨きがかかっていて、例えば「心が日に日に乾いてく」の「乾」の声の出し方とかすごく好きだったな。

 万里くんの『ボーイフッドコラージュ』、原作では最後にお姉さんが出てくるが、そこをカットしたため、最初から最後まで登場人物は万里くんたったひとりだ。それは秋組唯一で、より一層万里くんの持ち続けた『孤独』を色濃くし、さらに『まだ見ぬ誰か』の存在を浮き彫りにする。とある日の公演で、「目に映る全てがくすんで見え始めた」で瞳から光が消えたように見えたときがあった。おそらく席によるのだと思う。でもそのあと一番明るい白い光に向かっているときは、客席に背は向けているけれど、確かにその瞳には光を湛えているのだろうと想像が出来て、『孤独』を消し去るほどの出会いを予感させてくれた。

 そしてこの『原体験』から、万里くんにとっての『原風景』は、きっとあのときタクシーの車窓に流れていった街並みなんだろうなと思った。原作の時間軸では既に免許を取った万里くんだけど、ふと車窓の景色を見て今でもこのときのことを思い出したりするんだろうか……。そんなとき今の万里くんはどんな表情をするんだろう、なんてことを思った。

 

 二番手は太一くん。

 アコースティックなアレンジは『郷愁』って感じがして、太一くんがこの思い出をとても愛おしく懐かしんでいるのがよく分かる。バックの音がとても少なかったように感じて、この中で歌えるのはすごいと思った。特に北九州初日のリバーブ100000みたいな環境(オブラート300枚)でもよく通る声が印象に残っている。もちろん赤澤さんの努力の賜物だけど、太一くんの真っ直ぐさが伝わってきてとても好きだった。

 太一くんは秋組唯一、マイナスな感情ではない家出の思い出だ。家出でありながら冒険譚とも言えるようなそれは、莇くんが入団オーディションのときに語った話に近い。引っ越してしまった好きだった女の子にもう一度会いたいという動機、太一くんが好きな人や物事を手放したくないタイプなのが分かる。太一くんは小さい時から、大切なものを大切に出来る人なんだね。

 それから、曲の中での立ち位置。蹲ってわんわん泣いてる小学生の自分、を迎えに来た両親は最初2つの照明で表現される。その照明の当たっていた場所に立って、幼い自分に大切な言葉をくれる父親。そしてその言葉に「ただ黙って頷いた」昔の自分を、父親の立ち位置から一歩離れたところで、今の太一くんが見ている。歌い出すときも蹲っていたところを見ていて、そこに幼い太一くんが確かに見えた。観客の視線の誘導が上手い。だから太一くんが歌いながら視線を動かすことに意味があるし、その視線の先にちゃんと『あの子』がいることに気付けた。『あの子』こと幸くんは、真剣な表情をしていたり、微かに笑っていたり、右手を少し握りしめていたり、日によって違っていて、太一くんの『あの子』との色々な思い出を映しているようだった。

 そして最後に太一くんが語る、秋組のみんな、そして少年時代の自分をも裏切ってしまったこと。太一くんの心に色濃く影を落とすこの話は、おそらく太一くんにとって二つ目の原体験になってしまった。それでも「秋組のために頑張りたい!」と前を向いて言えること、そしてその秋組にはすでに莇くんを含んでいること。思い返しては苦しくなるような二つ目の原体験を、秋組であることで乗り越えていっているんだと思えて嬉しかった。太一くんの大切な『秋組』を、太一くんが大切に出来るから、大丈夫。

 

 三番手十座くん。

 ひとりだけ短調で始まるから、その段階で十座くんの『原体験』が彼にとって深い深い心の傷であることを察知してしまう。セットを半回転させた階段で、十座くんはずっと思いつめた表情をしている。エーステは影の使い方が上手いといつも思っているけれど、このときの十座くんの影もまた、万里くんとは違った『孤独』を感じる。階段を一歩降りる度に十座くんの心が暗い暗い闇に沈んでいくようでつらかった。

 この十座くんの原体験のなかで大きな意味を持つのが、彼の右手だ。ガキ大将に煽られて握りしめた拳。震えるお母さんの手と繋がれた手のひら。優しい小学生の男の子にとって、信じてもらえないことはどれだけショックだっただろう。でも、家出した自分を迎えに来てくれた家族と繋いだのも、同じ右手。十座くんをこの世界に繋ぎ止めたのは、彼自身の右手だ。

 そして力強く歌い上げる「手に入れた大切なもの/人生を変えるための強い願い」このどちらも、十座くんが強く握りしめた右手の中にある。強い強い眼差しで見つめたその右手に込めた沢山の感情を、役者・兵頭十座はこれからも絶対に忘れることはないんだろうな。

 秋単2020のとき、秋組のみんなは自分じゃない誰かになりたい人たちの集まりだと思ったけれど、特に顕著に、ずっと自分のことを好きじゃなかったんだなと思ったのが十座くんだった。自分じゃない誰かになるために芝居をしていると言う十座くんが、いつかありのままの自分をもっと、受け入れられたらいいなと思う。

 

 四番手、臣くん。

 臣くんと莇くんには「幼いころ母親との死別」という共通点があることを、ここで知る。母の死を打ち明けてくれた莇くんに対して、自分も話すかどうかの逡巡が、臣くんが普段から優しくて、他人に気を遣わせることを良しとしない性格なのが相変わらずだと分かって、とても良かった。そして悩んだ結果、ちゃんと自分も打ち明けるところが、初期の臣くんとの違いだとはっきり分かるのも。カンパニーのなかで成長した臣くんだからこそだ。

 そんな臣くんの『ボーイフッドコラージュ』はバンドのサウンドに乗せて語られていく。語りに入った瞬間に声色が大きく変わるのが印象的で、母の死が自分や家族にどれだけの影を落としたかが伝わってくる。声色が変わる瞬間はほかにもあって、「自分のなかで何かがプツンと切れた」の言い方には毎回胸が締め付けられるようだった。

 那智と話しているときの喋り方も普段の臣くんとは全然違って、それだけで本当に「唯一無二の親友」だったことが分かってすごい。そういえば一度だけ、「唯一無二の親友との出会い」で隣にいるであろう那智を軽く小突くような素振りをしていたときがあって、そういうカンパニーのメンバーには見せない面がまだまだ彼の中にあるんだろうなと思ったのを覚えている。

 そして「好きなだけサボるのはもう少し後にするよ」と過去の臣くんは那智に告げる。それが後のヴォルフに繋がっているのだと思うと、微笑ましいような、さらにその先を知っているがゆえに切ないような、得も言われぬ気持ちになった。那智との出会いを『原体験』にしている臣くんを知ってから改めて秋単2020の『異邦人』を見たらきっとまた感じることが違いそう。万里くんの言う「腹が据わった感じ」を、今だったらもっと知れるような気がするよ。

 

 最後は左京くん。

 左京くんの『ボーイフッドコラージュ』で語られるのは、母との思い出。第三回公演のときに幾度となく語られてきた、大切な母親との『原体験』である。そもそも左京くんは半グレだったころすら、母子家庭で大変な思いをしながらも自分を育ててくれた母への感謝を忘れたことはない人で。そんな左京くんだから、「流行りのカードゲームを知らなくてクラスメイトに馬鹿にされた」のは自分だけではなく自分の母すら馬鹿にされたように感じて、余計に許せなかったのかなと思った。

 公演の途中から「母親に申し訳なくて」でカードを背中に隠す素振りが加わって、より一層彼の後悔や自責の念が伝わってきて、つらかった。そしてここで、左京くんの家出に気付いたお母さんの気持ちも想像できてしまう。貧しい暮らしでも文句ひとつ言わなかった小学生の子供が、どう見ても弱いトレカ1パックだけを置いて居場所が分からなくなったら。お母さんの「ごめん」に込めた気持ちを、左京くんがちゃんと汲んでくれていて、本当によかった。

 特に好きだったのは、「俺の宝物になった」で一瞬で少年の表情と歌い方をするところ。きっとここが彼の『原体験』。ひとりじゃないこと、誰かに大切にされていること。彼に絶対に忘れないで欲しいなと私が常々思っていることです。そして「いつかは成長してこの恩をこの愛を返そう」の「返そう」で莇くんに仁義王カードを返す演出、もうぐうの音も出ない。pay forwardの精神。そのまま共通歌詞部分を全て莇くんの目を真っ直ぐ見て歌うのは、ずっと家に帰れと言い続けていた左京くんの、莇くんへの理解や共感、そして歩み寄り、そんなものを感じ取れて、和解の象徴のようだと思った。

 公演の中で一番好きなのが、この左京くんの『ボーイフッドコラージュ』だった。左京くんは私なんかが思うよりずっと、沢山のことを諦めてきた人生なんだと思う。だからこれからは、何も諦めないで生きてほしいなと何度も願った。

 

 ボーイフッドコラージュがない代わりに、銀泉会でのポートレイトの莇くん。

 莇くんのポートレイトは、音楽も照明もエーステの得意なもの全部詰め込まれているくらいの完成度の高さで、正直これだけで値段分の価値があった。「青白かった頬が薔薇色に染まり」の照明の色の変化があまりにもきれいで。それに続く「まるで魔法を」のところ、おそらく吉高さんが地声で出る音域を、わざと半分裏声にすることで、幼い莇くんの興奮と感動がダイレクトに伝わってきて思わず身震いした。

 そしてもちろん、莇くんのポートレイトを見ている秋組の人たちの様子も。左京くんは土下座の姿勢から頭を上げるのが一番早く、思い出話を懐かしそうに聞いている。けれど「どんな魔法を使っても母さんはもうどこにもいない」で一度目を逸らして顔を下げてしまうのが、苦しかった。世話係としてずっと一緒にいたくらいだから、きっと病院の送り迎えとかしてたんだろうなと想像が出来て、いつも心臓がギュッとなる感覚だった。

 莇くんは終盤、魔法のブラシを持ちながら、「母さんに出来なかった分も他の誰かに魔法をかけてみたい」で秋組一人一人と目を合わせていく。真剣に見つめ返す人、穏やかに見守る人、小さく頷いてみせる人。反応はそれぞれだったけど、全員がちゃんと『仲間』として莇くんの背中を押しているのが伝わってくる。間違いなく、莇くんが家出の先で、見つけた絆だ。

 

 

 そして物語は、ボーイフッドコラージュ~リプライズ~に終着する。

 

 グラミュの終わり方である。

 

 ウチ…これ……帝劇で見た!!!!!!!!!!!!

 

 ソロパートがあるのがリダルキなのもとても良いし、振り返った莇くんが一人一人とゆっくり目を合わせていくのも好きだし、やっぱりバラバラに捌けていくのが秋組だし、でも今回はみんな捌ける先が寮の中で莇くんの最後の「ただいま」にすべてが詰まっていて、もう、この曲のカタルシスがヤバい2022大賞受賞。なんかこの劇場ハッピーパウダー撒かれてるんじゃないってくらい幸せな気持ちで毎公演胸が張り裂けそうだった。天晴、脱帽、完敗です。

 

MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~AUTUMN 2022~

 十座くんのところでも少し触れたように、秋組のみなさんは『自分とは違う誰かになってしまいたかった人たち』の集まりだったけど、莇くんは違う。莇くんは家出をしてでも自分を曲げずに貫いて、そして叶えた。そんな莇くんの加入が、『自分とは違う誰かになりたかった』秋組のほか5人にとって、きっと良い刺激になってくれると確信している。そしてみんながもっと自分自身のことを好きになってくれたらいいなって、今でも思ってるよ。

  リプライズは、反復。秋組のみんなは今回、家出少年Aこと莇くんに、過去の自分を重ねて、自分の『原体験』をもう一度詳らかに見つめ直した。過去の傷を抱えて、隠してきた彼らだけど、今、莇くんの背中を押しながら、過去の自分の背中も押してあげられていたのかもしれないね。

 

 本当にずっと楽しくて、あっという間の1か月だった。左京くんのこと好きになってよかったっていうのはもちろんずっと思ってたけど、それ以上に、この演劇に出会えてよかったなって気持ちでいっぱい! でもこの演劇に出会えたのは左京くんのことを好きになったからだから、やっぱり左京くんのことが大好きで、幸せ! 私が今まだ演劇が大好きですって言えるのも左京くんのおかげだから、私もこの恩を、この愛を、いつか返せたらいいな。

 載せきれないくらい写真あって、嬉しい。秋単2020のときはガチでずっと一人でいたから、びっくりだよね。左京くんがくれた縁だよ!

 

おまけ

 恒例のごとく、秋単2022に通いながら聴いていた曲を貼っておきます


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ベストオブ秋単2022ソング。とりあえずこれ聴いとけば間違いない。

 「僕たちが作っていくストーリー 決して一人にはさせないから」

 


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秋組といえばこれでしょ 特にしんまけのオタクは

 「たった一瞬の このきらめきを 食べ尽くそう二人で くたばるまで」

 


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本当は5人verを聴いてほしいんですが…推しの歌声が最高なので……

これは私から左京くんへの”感情”の歌です(←キッショ)

 「ねえ 君といるだけでなんか遺伝子が笑う」

年間現場数が100を超えたのでブログでまとめます

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 2021年もおつかれっした! なんか今年いっぱい現場行ったな~って思ってふと数えてみたら三桁超えててびっくりしました。本当にコロナ禍? なのでいつも年末にツイッターでしてる現場まとめをブログですることにしました。文字数の関係以上でも以下でもないです。ちなみに無観客配信は除いています、現場厨なので。

 振り返ってみると発表のときから楽しみで仕方なかった現場もあり、マジで「こんなはずじゃなかった……」と思いながらチケットを増やした現場もあり、総括したらやっぱりただただ今年もオタクでサイコー楽しい♫にまとまるので、良い一年でした。好きな作品、役者、そして素敵な友達に恵まれて幸せです!

 

 では早速1月からいってみよ~。あ、月をまたぐ現場は最後に行った日付にあわせようかな!

 

1月

・舞台『紅葉鬼 ~童子奇譚~』(1回)

 もう二年くらい前の気がする、2021年観劇初めでした。青年館いいよねえ。トイレの数だけ何とかしてもらいたいけど。じんないさんとうめつさんの鬼気迫るやりとりが好きだったのですが、まさかこのときは年末に漫才コンビ組んでるとは思わなかったな……

・ミュージカル『刀剣乱舞』五周年記念 壽 乱舞音曲祭(4回)

 これは若干「こんなはずじゃなかった」でチケットを増やしました。祭公演で安定の出番が多くて嬉しかったので。『壽歌』のことWe are the worldじゃんってずっと思ってたけど他に言ってる人いなかったので多分そんなことなかったんだと思います。ネチコヤン二匹、本当に大好き! あと頼むからぼくのかんがえたさいきょうのユニットに断然、君に恋してる!させてほしいよ

・朗読劇『5 years after』(2回)

 なんか愉快な朗読劇にも行きました。赤坂、カラオケ屋とかも閉まってたな~。椅子の上でめちゃくちゃなポーズをとるたけこさんがおもろかったのと、出て来て最初にハンガーラックから衣装一個選んで羽織るの良かったな。ながえくんのものもらいは治ったんでしょうか(もうほぼ1年前だよ)

 

2月

・舞台『アニドルカラーズ キュアステージ SHUFFLE REVUE』(2回)

 2月現場ないよ~~と言ってたらバレンタインに友達に招待してもらいました。ありがと~! ライブもがっつりあって楽しかったな~あと差し入れシステムとかいいなあ~って思った。てかさ、どう考えても不知火颯くんのことが好きでウケた。君カワイイね……てなったもん。

 

3月

・ミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密~(1回)

 これめちゃくちゃ楽しかった! モーリス・コールくんのブロマイド買いたかったな~このころは劇場物販がなくて(なんか遠いところでやってたらしい)終演後に勢いでグッズ買うことが出来なかったね。アイドル編やれるキャスト集めたと思うから次回作あるといいな。緑の魔女編は……協賛にTBSがいる限り……難しいと思うので………

・舞台『画狂人 北斎(1回)

 なんかさ、たしか大雨だったんだよね……新宿から歩くの諦めた記憶ある。新国立劇場、雰囲気が好きなハコです。時代が行ったり来たりするなかでなんかいきなり交わるところがあるからエーッて言った(言ってません)北斎は花本はぐみ、ってコト☛

・朗読劇『ラヴ・レターズ』(1回)

 ようやく小野さんの現場~! みのりさんと2人だけの本当に静かな静かな朗読で没入感がすごかった。小野さんがいかに朗読劇を大切にしてくれているかを知っているので、本当に贅沢な時間だったな。「手紙を書くのが好きです。あなたに書くのが、一番好きです。」←オタク全員泣いちゃう大好きな台詞です

・『ONO DAISUKE LIVE 2021: A SPACE ODYSSEY(2回)

 この時期にライブやってくれたのサンキューでしかないな~初日にメドレーで初期曲多めにやってくれてめちゃくちゃ嬉しかった。だからそろそろさ、ゆうまおメドレー、頼むよ! それはそれとして、また小野さんのツアーで全国まわりたいなって気持ち。また高知行きたい、酒が美味しいので……

 

4月

・舞台『99(ナインティナイン)』(2回)

 これも超楽しかった! BARRELさんの舞台は前作も観てるけど、亀田さんならではの優しくて暖かいエンディングがハピエン厨の私にはめちゃくちゃ刺さるんだよね。曲がとても好きだから、どこかで聞けるようになったら嬉しいなあ。あといながきさんの役が超カワイイさんでニコニコなった。オタク、愛おしいな。

・写真集『J』発売記念イベント(1回)

 持ち時間全部使って土田万平の話したのちょっと反省してるんですけど、二か月後にも同じことを繰り返しているので、オタク、救いようがない。猛省。じんないさんがいい人で助かりました。(?)

 

5月

・ミュージカル『刀剣乱舞』~東京心覚~(3回)

 3月の東京公演1回、5月の凱旋2回入りました。初日入ったときにこれは賛否両論ありそうだな……って思ったんですが結局どうだったんですかね? 私は楽しくてチケ1枚増やしました♫ロングラン公演はやっぱり役者がグッと伸びるのが分かるから楽しいね。あと青年館は最高。

・MANKAI STAGE『A3!』~WINTER 2021~(6回)

 冬単再演~エーステは最高、はっきり分かんだね。でもやっぱもう立川は嫌かな……私は複数回入ってるからいいけどさ、10列くらいのサブセン入ると0番が見えないんだもん……泣 再演って扱いだけどキャストも増えて芝居もブラッシュアップされて、めちゃくちゃ楽しかった。冬組ってすごいな……ってなった。トルライ楽しみ!

 

6月

・声の王子様 Voice Stars Dream LIVE(4回)

 4月の神戸2回と6月の横浜2回。さすがに嬉しい現場すぎて、夢かも~!!って思ってた。現実で良かったです。2年前のライブを見て、いつか絶対絶対木村さんにも出てほしいよ~!って言ってたのが、こんな最高な形で叶うなんて! ディズニーってやっぱり夢が叶う場所。

・キムライズム発売記念イベント(1回)

 八王子久々に行った~あの会場結構好きです。駅チカだし。こういう、ただトークしたりゲームしたりするのをオタクが見るだけ~っていうゆるっとしたイベント、コロナ禍でだいぶ淘汰されてしまったと思うんですけど、本当に気楽に楽しめて大好きなので、前みたいにまたいっぱいやってほしいな。

・写真集『J』発売記念追加イベント(1回)

 本当に土田万平の話で全て終えました。申し訳ございません。でもなんか成仏出来た気がします。本当かな? ちなみに写真集では工場夜景の写真が一番好きです。貰ってくれたフォロワーは是非注目してみてください。

・MANKAI STAGE『A3!』Film Collection 2021 in Tachikawa(8回)

 立川よく行ったよ本当に……キャストたちのおもしろ裏話大好きだからめちゃ楽しんでましたが……特に好きだった話は「公演後ホテル前で大はしゃぎしてたろちを転ばせたのにオタクに遭遇した瞬間格好つけるけんたさん」「遅刻してきたいながきさんの言い訳に巻き込まれるたろち」など。あと紙飛行機やってる夏組はみんなきゃわ。

 

7月

・リーディングライブ『OTOGI狂詩曲 RE:Read』(1回)

 松戸は遠いて!!!!!!!!!!!!! でも木村さんの役も芝居も最高で許してしまった。オタクはちょろい。リーライって結構ハマる話とそうじゃないのが私の中ではっきり分かれるんだけど、これは好きな話だからまた見れて嬉しかったな。

・Trignalのキラキラ☆ビートRフェスタin東京2021(2回)

 品川、ありがて~!!!!! 前日の松戸との差よ。てかキラビ10周年でガハハ言うた。怖い話。でもこれはいつも思いますけど、ずっと好きで楽しいって気持ちにさせてもらい続けているの、めちゃくちゃ貴重でありがたいですね。ラジオはこれからものんびり続いてほしいです。

・ACTORS☆LEAGUE 2021(1回)

 オタクは自分が出る運動会は好きじゃないけど推しが出る運動会は好きなんですよ。いや主語デカ。私はワカハイの推し、おらんのですけど、やきうが好きなのと、自軍のドームで嬉しかったので、行きました! 思ったより全然しっかりやきうしててめちゃくちゃ楽しかった。またやってほしいな~。

・ミラクル☆ステージ『サンリオ男子』~KAWAII Evolution~(7回)

 知らぬ間にチケ難大人気舞台になってしまっていて驚いた(T_T)無事に観劇出来てよかったです。サンリオ男子のことが大好きなので、思うところもあったりもしたんですけど……でもやっぱ優しくて暖かくてキラキラしてて幸せだな~って思える大切な現場です。また雨ヶ谷昴くんにも会いたいな。

 

8月

・舞台『東京リベンジャーズ』(1回)

 またまた青年館。流行に疎いので2ミリくらいしか知らずに行ったんですが楽しかったです! でもめちゃくちゃケンカするから、仲良くしてよ;;;;って思いました。本末転倒なのよ。来年の続編も行きたいです。ヒロイン、かわいすぎ。

・『小野・下野のどこでもクエスト』スペシャルイベント(2回)

 本当に面白すぎて超笑った。しものさんがスーパーリベロなおかげでおのさんが好き勝手やってて楽しそうで良かった、しものさんは、本当におつかれさまです。こんな時代だから難しいだろうけど、また二人でロケ行ってほしいな~

・MANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE~SPRING 2021~(2回)

 優しい春が、大好きだ♫まきちやんの真澄としての最後の「愛してる」って言葉にすべて集約されていたなって思います。いつだって先陣を切る春組は本当に大変だと思うけれど、それを全然感じさせないで、春の陽気のように朗らかに笑って歩いてくがとても魅力的で、大好き!ACT2も楽しみです!

・アニメ『ULTRAMAN』シーズン2キックオフイベント(1回)

 あの……諸事情(オブラート3億枚)でメインキャストの一人が降板してしまい六傑が集結出来なかったんですが……汗汗 そんななかでもイベント開催してもらえてよかったし、純粋にアニメとしても好きな作品なのでキャストたちが楽しそうで本当によかったです……本当に……

 

9月

・舞台『Paradox Live on stage』(1回)

 増やしたかったのに売り止めしちゃって、楽天電子チケットが難儀で譲渡もなく増やせなかった舞台(T_T)脚本はちょっと大丈夫かなってなったけどそれを補って余りあるほどのキャスト達のパフォーマンスが素晴らしかった♫続編匂わせ、信じてますよ! あと秋組のオタクは絶対あかんやつらが好きなので、見て~~!!!!

・新・オフィス遊佐浩二 大報告会2021(1回)

 珍しくイベ被りでもないのに昼夜公演あるイベントの夜しか行かなかったんですが(私にも他の予定があることがある)(それはそう)小野さんビジュめちゃ良だったから昼も行きたかったな……ヤス見て元気になった。平成のオタクなので。

・カナタpresentsトライアングル~秘密~(4回)

 小野さんのカナタ、新作久々だったけど、他の出演者がDABAのメンバーなのもあって、すごく息の合ったというか、信頼し合った掛け合いだなって素人目にも分かって超楽しかったし、毎回すがぬまさんに泣かされてしまった(T_T)本当に行けてよかったし、改めて小野さんの朗読が大好きになった!

・劇団クロジ『白い雪と赤い華』(1回)

 木村さんとスぺゼロという組み合わせにトラウマがあるのですが、無事に克服出来てよかったです♫日替わりゲストとは思えないほどの出番で(笑)木村さんのお芝居を浴びることが出来て幸せだった~東様はスーパー情けないきゃわメンやろがい

 

10月

・ぱよぱよ公開録音(1回)

 50%収容だからコーレスしていいよって言われたけどもう大声が出せない身体になっちまってた……大騒ぎオタクさんだったのに……あの~~ゼノグラシアの話し始めたとき暦確認したもんね。今は令和です。

・プレミア音楽朗読劇『VOICARIONⅧ女王がいた客室』(2回)

 シアタークリエに立つ、小野さんを、見たかったんですよ、ずっと、1年8か月。2020年2月末、秋単を最優先に通いながらも、この現場には行くって取ったチケットが、紙切れになった瞬間から。だからようやく、幕が下りたなって思った。みんなの夢が少しずつ叶うお話に、私の夢も叶えて貰っちゃったな。感無量でした。

・リーディングライブ『ハコクの剣』(4回)

 ツイッターで色々言ったので今更書くこと特にないんですが(…)10周年の演目として2021年にやるべきものだったのかは未だに謎です。ただ舞台上にTrignalがそろう姿を見れたのはよかったし、木村さんとえぐちくんのお芝居のやりとりは全公演サイコーでした。

・MANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE~SUMMER 2021~(6回)

 トルライサマー! トゥエンティワーン! 夏組って……夏組ってサイコー!!! いつだって全速力で全力でまばゆい季節を駆け抜けていく、その底知れないパワーが、何度でも最高潮に連れて行ってくれるから、夏組のことが大好き! ちなみに打ち上げ花火の芝居する日替わり大好きだった

 

11月

・ミュージカル『刀剣乱舞』~静かの海のパライソ~(1回)

 私はラストシーンのせいで「こういうことが伝えたいんだろうな~」って思ってたの全部ひっくり返されてめちゃくちゃ動揺したんですけど、この話ってどういう評価になってるんですかね? 最後のシーンすごく皮肉だなって思うんですけど……まあ通ってないから分からないのかな……松井江くんのおもろソロ曲があってよかったです。

・リアルタイム謎解きゲームショウ『Voice Mystery』(2回)

 あ~~~こういうの、こういうのだよ声優オタクがコロナ禍前までゆるゆる楽しんでたのは……って懐古してた。会場が山の上すぎて泣いた。タクシー使わなかったの褒めてほしい。グルチャ使うのおもろかったな~会場変えてまたやってほし!

・A3! THIRD BLOOMING FESTIVAL(1回)

 エースリー原作イベントはブルカニしか行ったことなかったからがっつりキャストのトークで楽しかった~! あとさ、両国だったから、ちょっと泣きそうになった(情緒おしまいオタクさん)会場周辺にいたエースリーのオタクたちも元気があって、楽しそうで大変よかった。ブルライ行きたいです(T_T)

・RICE on STAGE『ラブ米』~Rice will come~(5回)

 2021年こんなはずじゃなかった大賞受賞おめでとうございます! アフト回1枚しかチケット持ってなかったんですけどものすごい速さで増やしたし、その日以降マジでCブロしか座ってないし、瞬間最大風速5万kmって感じの勢いでぶっ飛ばされてウケた。割とスケ埋まってる期間で逆によかったまである、暇だったら無限に増やしてそうだったので……さて私は果たして新年までにしめ縄を完成させることが出来るでしょーか!

 

12月

・朗読劇『アルセーヌ・ルパン”813”』(4回)

 パンフのビジュが良すぎて数年ぶりにスマホの背景画像を変えました。笑。千秋楽のハプニングこそ多かったけれど、ストーリーも、木村さんの役どころも、もちろんお芝居も、全部がめっちゃ楽しかった。草月の椅子とは仲良くなれなかったけど……最後の木村さん演じるルブランの一言に詰まったやさしさが大好きだった♫

・MANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE~AUTUMN 2021~(7回)

 「かっこいい秋組」を見たいオタクと、「かっこいい秋組」を見せたい制作陣とキャストたち、というのが見事にハマったような感覚があって、全公演本当に怖いくらい幸せな日々でした。不器用だし素直じゃないし、傷を隠すことばかり上手な人たちだけど、なんか、ここまで来られたらもう大丈夫だろうなっていうくらい、ちゃんと”チーム”だったし、”仲間”だったよね。オタクとも拳をあわせて進んでいこうな👊

・舞台『あいつが上手で下手が僕で』(1回)

 秋トルと被りまくってさすがに行けん~て泣いてたけど秋トルが国フォだったおかげで休みを取らずに済み、こっちで早退を取ってなんとか東京楽に滑り込めました。贔屓目なしにアマゲンめっちゃおもろかった。うめつさん、愉快。アマゲンのDVD欲しいもんな。

藤田玲のカモマイ ムチャぶりすごろくイベント(3回)

 放送前の番組のイベントがTDC3回まわしも正気?だし1部が11時開演なのも正気?って思ったけどなんかちょー楽しくて涙出るほど笑ったし、秋組のカワイイエピソード山ほど聞けて、来てよかった~!になった☺放送もうすぐだ~楽しみです!

・音楽朗読劇READING HIGH「シェーヴルノート」(4回)

 最後の最後までこんな幸せにしてもらえるから、現場厨やめらんないよ~~小野さんのジルドレが最高だったのは言うまでもないよね!? ”嘘に命乗せなきゃ、嘘は噓のまま”という台詞が、芝居と重なるということ。小野さんのその言葉が制作陣含む色んな人の心に刺さったのは、小野さんがずっと真摯にお芝居に向き合ってきたことの象徴のようで、なんとも尊くて贅沢な瞬間でした。大好きで、幸せです♫



 

 というわけで年間105現場でした~!!!

 まとめてみるとさ、どう考えても12月がおかしいよね!?笑 12月だけで19現場だったそうです。バカスケジュール。しかしながら来年も早くもバカスケジュール期間の予感があり、どうしようもないな……と思っています。どうしようもないんですよ、現場があれば、行くので……。

 来年といえば、小野さんのオタクになって15年らしくて。つまり現場厨15年。老害もいいところですよ本当に。慎ましやかにいたいですね。ここまでくるとどう考えてもオタクをやめられないだろうな~って感じで、ウケるんですけど、まぁ別にやめたいわけじゃないし、楽しいからいいよねえ。

 

 そんなわけで駆け抜けた2021年でした~! 『大好きって、楽しい!』という初心を忘れずに2022年もゆるくたのしくのびのびとオタクして遊ぼうと思いま~す!

 

秋単本当にありがと〜の記事(仮)

 ※本記事は2020年3月に書いていたもののその後の現場が軒並み中止となったりなんやかんやあった影響で公開を控えていたものです。秋単初日からちょうど1年ということでこのタイミングで公開します。注釈は大体それに関することです。

 

 MANKAI STAGE 『A3!』〜AUTUMN 2020〜お疲れ様でした!!! 秋組みんなめちゃくちゃかっこよかったですね。正直もっとロスって精神ズタボロになってもう生きていけん……になってるかと思ったんですが、不思議なくらい清々しく「楽しかった〜!」という気持ちでいっぱいです。ふふ。多分私自身も「やりきったな!」と思えてるからなんでしょうね。

 私がやりきれたのは、何よりもフォロワーの皆さんを始めとする多くの方のお力添えのおかげです。本当に、本当にありがとうございました!! 劇場に行くたびに、皆さんのことを思い出して、精一杯の感謝の気持ちのもと、チケットをもぎってもらっていました。自力チケ、当引1枚だけだったので…………(…)

 そして新型ウイルスが蔓延るこの世間の風潮のなか、千秋楽までやり切ってくれたことが本当に本当に嬉しいですね。難しいことも、厳しい意見もあったと思います。でも嬉しかったから、私は嬉しかったって言います。みんなと駆け抜けさせてくれてありがとう。

 エーステ公式ツイッターの通知が来るたびに心臓が大きな音を立てて鳴ったこと。客席のほとんどの人がマスクをつけている光景が少し怖かったこと。いつも通り幕が上がる、それだけのことに、毎日どれだけ安心していたか。多分忘れちゃいけないことなんだと思います。秋単に関わった全ての方に、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

 

異邦人

 一幕の異邦人、まず太郎くんの十座くん→那智の早替えがすごくない?(そこ?)音源でブランニューを聴くとアウトロのあと脳内でエンジン音がかかるようになってしまいました。困るので早く円盤が欲しいです。旧ヴォルフメンに扮する秋組メン、きゃわですね。色んな人に「左京さんスカジャン似合わなくね?」と言われまくりました。なぜ…?? めちゃくちゃかっこよかったですが……???

 最初の臣くんの長い語りは毎公演ぜんぶ話し方や緩急、伝わってくる感情が違って、千秋楽が近くなるほど最後の方はすごくつらくなってました、私が。お前か〜い。

 

 一幕については、臣くんや太一くんのファンがきっと沢山話してくれていると思うんですよ。海のシーンでの掛け合いとか……。 私がそれについて何か書くまでもないかなぁと。書くとすれば、あのシーンなぜか神戸からいきなり写真が増えてたんですけど「もしかして私が他担ゆえに気付いていなかっただけかもしれない…」と思ってツイッターでしばらく言わないでいました。勘違いじゃなくてよかったです。(はい)

 私は左京くんのオタクなので、左京くんのことを書きま〜す! 一幕、左京くんめちゃくちゃよく笑うんですよ。左京くんは右側の口角を少し上げるだけの笑い方をするので、ま〜〜どこの美術館から盗み出された彫刻かしらと思ってしまう。ルーブルかな? その表情がすごく印象に残ってるので、多分秋単で笑った回数が春夏と秋冬と春単で笑った合計数を超えてる気がする。知らんけど。

 いくつか具体例挙げていいですか? ダメって言われても挙げます。まず臣くんを主演に名指ししたあと、バンチャンの「頼んだぜ、座長!」でみんなが捌けるとき。臣くんの方を見ながら笑います。この部分は後々バンチャンが説明してくれますね。「乗り越えられないと思ってるヤツに、ハナから任せたりしねえ」って。左京くんなりのエールです。

 あとは臣くんと太一くんが海に向かうのを物陰から見送ったとき。ここはもう何を思ってるか手に取るように分かりませんか? もう私の脳内には「世話の焼けるヤツらだ〜♫」と歌う左京くんがフェードインです。何度も見た。親の顔より見たかもしれん。左京くんは「心配なんかしてねぇ」んですよ、だって、信じてるので。

 最後に「どうなることかと思ったが、なんとかなったな」のところ。「なんとかなったな」と合わせて笑うので愛しいポイント10,000点。すぐバンチャンにいじられてしまうので加点3,000,000点。

 まぁ、嬉しいんだろうなぁと思うんですよ。まだこのときには、左京くんは『ここが自分の居場所である』とまではっきりは気付いていなさそうなんですが、それでも秋組のみんなたちのことを大事に思ってるのが伝わってきて。好きな人が嬉しそうなので私もめちゃくちゃ嬉しかったです! 好きな人て 照

 

 あとこれは二幕への伏線なんですが、スタートの時の構図が一幕と二幕で同じなんですよね。4人で話してるところに左京くんが後から来るっていう。一幕は特に、4人のところに左京くんが来たり、左京くんだけ先に離れたりするシーンが結構あって、それに気付くたびにフミヤ・マツザキ氏の掌の上で踊らされていることと同義で、悔しい限りです。クッ

 

 日替わりもたくさんあって、個人的には「麺類から離れ〜ろや♪」とかせっきょ〜とかが見られたのが嬉しかったです! 春単、未だにロスってるので……(秋終わりましたが!?)*1あと銀泉会ディビジョン! 円盤収録されるかなぁ?*2 れ〜さん、沢山考えてくれて毎日楽しませてくれてありがとう〜〜!! それぞれの日替わりでどれが人気だったんですかね?なんか拡散力のある人にアンケート取って欲しいですね。(他力本願寺

 少し気になったんですが、エーステ時間軸では各組旗揚げ→春組第2回、第3回公演→夏組第2回、第3回公演→……という時の流れなんですかね!? でないと秋組第2回公演のときにせっきょ〜の話出ないですもんね。*3

 

 

 

劇中劇「異邦人」

 

 

ウチ…………

 

 

これ…………………

 

 

 

 

天気の子で見た〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(大の字)

 

 

 

(※以降、天気の子のネタバレを含みます)

(↑秋単振り返りブログでこの注意書きするの、まじで何????)

 

 天気の子、見ました?? 私は見たあとしばらく天気の子の原作(そんなもんはない)の話で盛り上がるくらいには楽しんだタイプのオタクだったんですが、異邦人を初日に見てからと言うものの自分の中でこの作品を天気の子と重ねずにはいられませんでした。

 天気の子のラストは、ざっくり言ってしまえば『好きな女の子を救ったために東京には雨が永遠に降り続くようになってしまった』というところなのですが、え……ヴォルフとゼロじゃん……となりませんか? なりますよね。なるんですよ。ヴォルフはゼロを救い、世界に緑は戻らないので。

 そもそも異邦人を1度でも見たオタク、絶対に『ドム様の正義』について考えざるを得ないと思うんです。果たしてドム様は悪役なのか? まぁたしかにジョンにもナインにも暴力を振るいますが、見方を変えれば天才科学者であり、ゼロがタネとなり世界に緑を取り戻した暁にはそれはもう英雄となったことでしょう。「ゼロは私の…人類の希望なんだ!」という台詞から、少し自己中心的なところがあるのかもしれませんが、それでも自分の、そして世界のために緑を取り戻そうとしたドム様は、一概に今作の『悪役』とは言えないと思うのです。

 天気の子にはドム様のようなポジションのキャラクターは出てきませんが、天気の子が『こうして世界は守られたが、その裏で犠牲になった女の子のことをもう誰も覚えていない』という話にはならず、『世界なんかよりも目の前の好きな女の子を守っていい』というメッセージを伝えてくれたことが、いちセカイ系好きのオタクとしてめちゃくちゃ響いたので、ヴォルフもそうであってくれて嬉しかったです。末長くお幸せに……。

 

 個人的見所はドム様が「お前がタネを引き受ける? 失敗作が思いあがるな、タネはゼロにしか適合しなかった」と歌い上げるところのナイン。どこからどう見ても原作A3!の異邦人のRカード(開花後)です。進研ゼミさながら、これエースリーで見たやつだ!!と座席で暴れました。(暴れてません)

 あと凱旋で、「ゼロ、お前はお前のいる世界の中で生きればいいんだ」のところである日いきなりナインがゼロの頭を撫でるようになって、びっくりしすぎてスーーーーって泣きました。あまりにもびっくりしたので一度自分の幻覚を疑ったのですが、翌日からも撫でていたので幻覚じゃなくて良かったです。幻覚で泣いてたらさすがにもう救えないので………。

 東京公演が終わるころにはナインのことめちゃくちゃ可愛いな……と思っていたのですが、なんでこんなに可愛いかって、ナインって可哀想だと言ってしまえばそれまでなんですけど、でも他人を愛することがとても上手なんですよね。だからこそナインにも違う道があったらなと思わずにはいられませんでした。ゼロを探しに行くときドム様に従っている振りをしながら捌け際にひと睨みするところも、「ヴォルフがいる世界を、私は守りたいんだ!」と言うゼロを見ているときの表情も、ヴォルフとジョンの立ち回りのとき心を決めたように視線を落とすところも、大好きだった。

 

 ジョンがなぜドム様に付き従っているのか、そしてドム様とナインの過去なんかがもっと知りたかったな〜と思うので、2時間くらいに膨らませて異邦人単独公演お願いできないだろうか?(シトロンおる)(ウッ春単……)(自爆)

 

 

任侠伝・流れ者銀二

 

 大好きな人の主演、あまりにも輝いていた。

 

 個人的に春単も夏単も、二幕(=第三回公演)がより泣ける話だったので、秋単は難しいよな~と思っていて。どうなんですかね? 私は古市左京のオタクなのであまり客観的な話が出来ないから申し訳ないんですが……。毎公演真ん中に立つ左京くんを見てヴッ…となっていたので…。

 

 秋組第三回公演まで見て思うのは、『こいつらマジでいつもタイマンなんだよな』ということです。私は夏組箱推しでもあるのですが(初出し情報)、夏組と秋組ってびっくりするほど真逆だと思いませんか?

 夏組って、いつも5人なんですよ。舞台の上で。誰かが壁にぶつかったらみんなで支えたり、立ち向かったりする。旗揚げ公演ゲネプロ後の天馬の練習につきあうのも、にぼしのときに幸と一成におにぎりを握るのも、スカイ海賊団のときに三角の家に行くのも……みんなで一緒にやるんです。

 一方秋組は、基本タイマン。第二回公演も、臣くんが一歩前に進んだのは太一くんと海に行って、ふたりで腹割って話したからです。そして第三回公演においても、左京くんへの誤解(カンパニーを去るのではないか)がとけるのは、たまたま十座くんが内見に向かう左京くんを見つけてくれたからです。左京くんを好きなひとりとして十座くんには心から感謝しているし、あの偶然がなかったらと思うと目の前が真っ暗になるほどに恐ろしいです。

 秋組って全員言葉が足りないから、全員で腹割って話すってなると結構難しいんだと思うんですが……だって左京くんと他秋組メンがすれ違ったあと相談するの、全員他の組の人だし! お互い認め合ってるのは万里くんの「劇団員全員集めんぞ!」の台詞でも分かるし、旗揚げのときから『自分以外を認めること』はみんな出来ているので、もっとそういうの本人相手にも出していけたらいいのにな〜と思います。もちろん、そういうのがあまり上手じゃない、素直じゃない秋組だから好きなんですがね。

 まぁ「俺と俺たちの間に隠し事はなしだろ」なんつー歌詞でオタク全員「そうなの!?!?」てなったし、さらにこの一件ですごく距離が縮まったというか、ホウレンソウの大切さを身をもって知ったと思うし(笑)もうこんな風にこじれてしまうことはないんでしょうね。左京くんが、左京くんを必要としてくれている場所がここにもあるってことを、ちゃんと知ったので。

 

劇中劇「任侠伝・流れ者銀二」

 いや〜〜〜〜冷静な感想いつになっても書けん!!!! 好きやし!!!!!! 全部好きやし!!!!! 大好きな人の主演、世界の歓び全部詰めスペシャルって感じ!!! 毎日祝福されていた!!!!!

 

 まず、エーステで血糊を使われるとは思わなかったのですごいびっくりしました。ぶっちゃけ最後まで出どころ分からなかったですね、あのへんずっとヴッ…となっていたので……。

 あと歌詞が好き。「悖る」なんて言葉久々に聞きました。れ〜さんの歌声も好きなので本当に幸せな時間だったな……。個人的には「あっしら所詮無頼の輩~」の音の運びが大好きすぎて、カテコ位置が真逆になることを承知であそこのゼロズレに何回か入りました。なんで?

 

 銀二のことを話そうとするとまず大島のことを話したくなってしまうんですが(児島だよ!!!)あのふたりがどうやって出会って舎弟になったのかめちゃくちゃ知りたくないですか? 私は知りたいです。最後のBUZAMAのあたりで児島に傘を差し出す銀二、多分あれが出会いのシーンなのかなと想像はしているのですが……こちらもスピンオフを何卒お願いしたいですね。でないと脳内で同人誌5,000冊出しちゃうので。

 

 そもそもこの作品、たしかにMANKAIカンパニーのこれまでの作風とは全然違うし、ひとり殺陣やら血糊やら、それこそ構成が180度違うなと思うんですが、話自体はめちゃくちゃ分かりやすく勧善懲悪(というかそういう任侠道みたいなのを大切にしてるからなるべくしてそうなったところではありますが)ですごく明快なんですよね。

 だからこそ横田という悪役がめちゃくちゃ光る。「この作品で推しにどの役やってほしいですか?」と言われたら私は横田と答えると思います。もちろん横田には横田の正義があるし、「ここ(頭脳)で戦うのがこれからのヤクザよ」という台詞はあながち間違ってもない(手段によりますが)と思うので……。ただ、そのために人を利用して裏切ったからこそ、銀二も許すわけにはいかなかったわけですが。

 そういえば愛知公演で、横田が茂木を灰皿で殴るシーンが音楽とうまく噛み合わなくて、殴るSEが2回鳴ったときは「さすがの茂木も死んだのでは?」と思ったんですが生きていてよかったです。

 

 「拾ってもらったこの命、仇にくれてやるくらいなら、派手に散って見せやしょう」

 この台詞を、古市左京に言わせる皆木綴大先生、鬼なんか??? と思わずにはいられません。風間銀二も、古市左京も、多分、死に場所を見つけたのです。恩人に救われ、そのために生き、そのために死ぬ。美しいようで、残されるものにはあまりにも残酷です。

 私は初日にこの台詞を聞いたとき、古市左京は舞台の上で死ぬのだろうなと感じてしまい、そんなことになる前に早く死んでしまいたい、左京くんのいない世界を生きられる自信がない、左京くんが舞台の上で死ぬとこなんて死んでも見てやらないとメンヘラ情緒大暴れモンだったのですが……風間銀二が与えられたものを抱えてこれからを生きていく姿を見て、古市左京もそうであってほしいなと願うばかりです。舞台の上で、色んな人生を、生き続けて欲しい。いつもそんな祈りを込めながら、カテコで真ん中に立つ左京くんを見ていました。これからも沢山、そこに立ってね。

 

 それからこれは、れ〜さん以外の秋組の俳優のオタクにお願いしたいことなのですが、もし個人の接触とかの機会があったら、「あんたに貰った、この仲間たちと」のところで左京くんがどんな表情をしてひとりひとりを見ていたのか、聞いてもらえませんか?? このためにステラのサイドシート最前列に入った回があるんですがほとんど見えなかったし(…)やはりあのときの視線を正面から受けた彼らの思いを、知りてえ、知りたい、知らせて…、知らせてください、監督!!!

 

 

MANKAI STAGE『A3!』〜AUTUMN 2020〜

 春単の『自分らしさ』や夏単の『支える』がそれぞれのテーマとするなら、秋単は『居場所』だったのかなと思うんですが、どうでしょう? 旗揚げで互いを認め合って、単独公演で自分の居場所を見つけることが出来た秋組。そう考えると旗揚げで自分の居場所も認められた太一くんが、今回幾度となく他のメンバーを引っ張っていたことにもものすごく頷けます。他の秋組の人たちよりも一歩先を進んでる太一くんにしか言えない言葉がありました。「5人で秋組」「全員でMANKAIカンパニー」。その言葉で他のみんなが、『MANKAIカンパニー秋組』という自分の居場所を再確認したとさえ思います。

 そして左京くんの大千秋楽での影ナレ、一番最後の「”秋組の”古市左京でした」という言葉。ここまで来られたんだな、という気持ちで胸がいっぱいになりました。左京くんのこと本当に大好きで、困るなぁ。

 

 秋組の人たちって、元々『自分とは違う他の誰かになってしまいたかった人』の集まりなんだと思うんですね。イージーモードな人生に飽き飽きしていた人。厳つい見た目のせいで常に周囲から誤解を受けてきた人。平凡であることを知りながら誰よりも目立つことで愛されたかった人。失われた親友の夢をどうにかして叶えたかった人。自分で選んだとはいえ、環境のせいで夢を諦めた人。旗揚げ公演の時の稽古で雄三さんに言われた「お前らの芝居には『お前たち自身』がちっとも出てない」という台詞、それはそうなんですよ。だって彼らは、別の人間になりたい気持ちを抱えてお芝居をしてるから。自分なんて出るわけない、出したくない。

 また夏組との比較でごめんなんだけど、夏組の人たちは割と『ありのままの自分を貫いて、前に進みたい人』が多いんですよ。そしてお互いに『お前は間違ってないから、そのまま進め!』と背中を押せる関係なのかなと。

 私は多分、秋組のみんなに、もっと自分のことを好きになってほしいのです。互いを認め、居場所を認めた次は、自分のことを認めてあげてほしい。自分の好きなものを、好きな人も好きになってくれると嬉しいじゃないですか。みんな自分のハマってるジャンル友達に布教するでしょ?? だから、私の好きな人のことを、好きな人にも、好きになってほしいよ。そのために私はこれからも、秋組が大好きだ~!って大きな声で言い続けます。

 

 

 本当に幸せな1ヶ月半でした。一生忘れることなんて出来ない日々です。月末なのに毎日定時ダッシュしたことも、品川駅からステラボールへの1番楽な行き方を研究したことも、2週連続で神戸に遠征したことも、愛知でお昼にカレーうどんを食べたらその日の影ナレで左京くんに「夜にカレーうどんを食べに行かないか」と言われてしまったことも…(…)思い出は尽きないし、私はこれを永遠にしたいです。永遠はあるよって昔やったエロゲが教えてくれたし。(その話本当に必要でしたか?)

 左京くんのこと、好きになれてよかった。あの日あのとき、私に舞台の楽しさを思い出させてくれたこと、まだ私は舞台を好きでいていいんだと思わせてくれたこと、感謝してもしきれない、ので、この恩は、一生かけて返します。左京くんにもらった、この夢のような日々の先で。

 

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 これは左京くんのことを好きになってから1年の記念日に頂いたお花。それからさらに1年近く経った今でも、色あせない香りと思い出です。

 

 

 

おまけ

秋単に通っている間に聴いていた曲たち


東京事変 - 閃光少女

 これは『勝手に”秋組単独公演に通う私”テーマソング大賞』受賞って感じで期間中だいたい常にこのマインドでいました。最高。

 「私は今しか知らない 貴方の今に閃きたい」

 


きのこ帝国-金木犀の夜

 金木犀ソングはフジファブリックの「金木犀」と悩んだけど、「若者のすべて」が夏組だなぁになるのでこちらを。劇場からの帰り道によく聴いてました。

 「あの頃のふたりは 時が経っても消えやしないよね」

 


米津玄師 3rd Album「Bremen」クロスフェード

music.oricon.co.jp

 MVないから公式クロスフェード、5:30くらいからです。古市左京くんへの感情でいっぱいになったときに聴くと上を向ける気がするので好きでした。

 「馬鹿にされたって愛を歌うよ 君とどこまでも行けるように」

 

 

 

*1:冬もライブも終わりました

*2:されました!嬉

*3:ライブパンフレットでこの説は却下されましたが、だとしたら、せっきょ~は時空を…超えて…???

土田万平という男

 2020年12月5日、曇天の下で幕を閉じた「ワーキング・ステージ『ビジネスライクプレイ』」について、どうしても書き残したいので久々にはてなブログを開いている。衝動のまま殴り書きをしているので、まとまった言葉が書けるわけがないけれど、この感情をなんとかして残しておきたい。

 これは私から土田万平への、ファンレターである。ラブレターと言えないのは、もうこの言葉が土田万平に届くことは決してない、余りにも独りよがりな文章だから。幕を下ろした(幕、なかったけど…)(新宿FACE……)舞台の一登場人物に、一方的に話しかける三文芝居に、物好きならばどうかお付き合い頂きたい。

 

 ここでひとつ注釈を入れておきたいのだが、私は土田万平を演じた陳内将さんのオタクではない。なので陳内将さんが今回、あるいは普段、どのように役を作り上げているのかとかは本当に知らない。ゆえに陳内将さんのファンの方からしたら「いやそれはないないない」となる部分もあるかも知れないが、その辺りはご容赦頂けると幸いです。

 

 

 初見のときから、ああこの人のことを好きになってはいけないと思った。新宿歌舞伎町で出会った男を好きになるなんて、絶対に碌な終わり方をしないって、多分ばあちゃんも言ってた。そりゃ〜そうだ。だって土田万平は、この舞台の上で2時間そこそこしか存在しない、『役』だからだ。好きになるには不毛すぎる。千秋楽だってすぐそこだ。もうすぐ、二度と土田万平には会えなくなる。それでも私は土田万平という男について考えることをやめない。きっとこれは、羨望で、執着で、恋に似た何かだから。

 

 土田万平という男は、やる気のない人間だ。何かを常に諦めている。仕事はしないし努力もしない、ゲームばかりするし、事あるごとに悪態をつくし、喜んで悪ノリをする。結果机の上にリセッシュをぶちまけたりする。(12/5マチネ)

 そして他人にも本気になるなと言う。無駄な努力をするなと言う。諦めろと言う。土田万平は無気力で身勝手で、正直どうしようもない。

 

 ただ、土田万平という男がそうなったのには理由がある。いや、舞台の上の事やモノには全て理由がある。『チェーホフの銃』は私が最も信頼している理論だ。

 それはさておき、土田万平は過去にコピーライターとして大きな挫折をしている。8年前に新卒で大手代理店に入社し、各新人賞を総なめしたのち、盗作疑惑で全てを失った。地位も、名声も、そしてそれまでの努力も。無駄だと分かっていながら頑張ることが、土田万平には出来ない。結局全部なくなるのならば、最初からない方が良い。その方が傷つかないから。大人になればなるほど、転ぶのが怖いのは当たり前の感覚だ。怪我の治りというのはどんどん遅くなる。土田万平は、かつての名前を含む全てを失くして、空っぽになった男だ。

 

 しかし土田万平は本当に全てを手放すことは出来なかった。名前も地位も名声も失ったが、コピーライターという仕事は、言葉を綴ることだけは続けていた。他のことを考える余裕なんてなかっただけだ、と土田万平は言う。でも続けていたのは事実だ。心の根底にどんな思いがあったとしても。そして、過去に土田万平が書いた言葉も、生き続けている。そう、日野の中で生きていたように。

 土田万平の綴った言葉に人生を変えられた日野に「俺がここにいるのはアンタのせいだ、責任とってください」と言われて、土田万平の瞳に光が灯るのを確かに見た。土田万平のなかで、なにかが変わった瞬間だった。

 求めている人のところに言葉は降ってくる、と土田万平は言う。同じ口で、「言葉が降ってこねえんだよ」と言っていた。なんで降ってこないかって、それは土田万平が求めることを辞めたからだ。努力することも、必死になることも辞めた。だから日野の言葉によってもう一度求めた土田万平のもとに、言葉は降る。そしてそれは、土田万平を信じた仲間たちの上にも。

 あのとき日野から投げられた豪速球ど真ん中ストレートの言葉は、土田万平が求めていた言葉に他ならない。

 

 本気を出した土田万平には、誰も敵わない。そしてどんな土田万平も仲間として迎え入れたチームは、無敵だ。どんな勝負事ーー賭け事にも勝てる。ずるい男だ。

 とはいえ、土田万平はそう簡単には変わらない。大きな案件を勝ち取っても、いきなり仕事をバリバリこなす人間にはならないし、チームの上に立って指示をすることもない。いきなり変わる必要なんてない、と言う土田万平はその実、もう変わっているのだけど。

 

 土田万平が最後に仲間たちに綴る言葉は「ビジネスライクプレイ」ーー遊ぶように仕事する。ゲームで徹夜をしていた頃「ここに住みたいよなぁ、仕事はしたくないけど」と言った土田万平が綴った言葉に、かつて「仕事なんですよね?遊びじゃないんですよ」と怒った日野が、今は「いいですね」と頷く。言葉を交わしながら、少しずつ変わっていった答えだ。

 

 言葉は、コミュニケーションだ。常日頃から特に気にも留めないうちに、人間は言葉を交わしている。自分の言葉が他人に影響するのは当たり前であり、その逆もまた。求めている言葉だけが貰えるわけではないし、自分に投げられた言葉すべてを受け止めることが難しい場合だってある。悪意ある言葉を投げられることだってあるだろう。自分の言葉が、他人に意図しない形で伝わることもある。それを解決するのもまた、言葉だと思う。だから私たちは言葉を綴ることをやめられない。投げられた言葉で、交わした言葉で、私たちはどんな風にでも変わっていけるのだ。

 そんななかでも、土田万平の言葉は、いつの日かこの国の全ての人の心に何かを残す。土田万平の言葉によって多くの人の何かが変わる。土田万平は、昔も今も、天才コピーライターだ。芸術家でもアーティストでもない、ただのサラリーマンだけれど、多くの人が求めている言葉を与えることができる。土田万平はそういう人間だ。

 

 だからみんな、土田万平という男が好きなのだ。

 

 

 以上が、私から万平さんへのファンレターであり、万平さんに恋をしていた私の遺書です。とはいえそんな簡単に感情処理出来てたらオタクなんかやってね〜〜〜って話じゃんね?千秋楽を迎えた舞台の役への、誰から見ても意味なんてないこの恋は、まだしばらく抱えて生きていくことになりそうです。

 

 余談中の余談だけど、万平さんが吸っていた煙草は通称赤マル、つまりマルボロだった。マルボロの名前の由来は諸説ある。そのひとつが『Man Always Remember Love Because Of Romance Only』ーー人は本当の愛を見つけるために恋をする。私はこの話を知ってから、マルボロを吸ってる人は全員ロマンチストなんだなと思ってるわけだけど、万平さんもそうなんですかね?言葉のプロだから、知っているんじゃないかなぁ。日野くんに焚き付けられた万平さんは清々しい顔で煙草と携帯灰皿をゴミ箱に捨てた。それって、このお仕事に本当の愛を見つけたからですか?楽しみながらーー遊びながら仕事をする今に、万平さんの愛が見つかっていたらいいなって、心からそう思う。もう会えない土田万平という男への、ささやかな祈りとして。

 

 最後に!イメソン厨として2つの曲を貼っておきます。万平さんのことを好きになったひとりとして、自信を持っておすすめします!(日野くんおるね)

 


平井 堅 『ノンフィクション』MUSIC VIDEO (Short Ver.)

 歌詞が全部土田万平、了解という感じなので良ければフルバージョンを聞いてほしいです。つべ公式にはショートバージョンしかなかったので……。何年か前にFNSでてちのダンスとコラボしてたのもすごい印象に残っていて、改めて聞いたらめっちゃ土田万平だった。土田万平の孤独に手を伸ばしたい方向け。(ニッチすぎない???)

 


back number - ハッピーエンド (full)

 ツイッターにも書いたんだけど千秋楽が終わった後ベソかきながら歌舞伎町を駆けだしてセブンで赤マル(亜種)を買ってPePeの前の喫煙所で吸ってるときに正面の何とかビジョンで流れていて死んだ曲。好きな男に2度と会えなくなった直後に聞く曲じゃねえんだよな。どんなドラマだよって思いながらまたちょっと泣きました。「あなたを好きなままで消えていく。私をずっと覚えていて。なんてね、嘘だよ、元気でいてね。」

 

オタクなのに引きこもれない

※あまり明るい話じゃないので、暗い話に引っ張られちゃう人は自衛してください。なるべく明るく書くように努めます。

 

ただの吐き出しだし公開するか迷ったけど、同じような気持ちの人がいたら救われるので(私が)(自己中)公開します。今は元気なんですが、数日前まであまりに毎日しんどくて、なんでしんどいのか考えて言葉にしたら多少はなんとかなるかなと思ったので、書きます。

 

オタクのみなさん、上手く引きこもれてますか????

 

現在2020年4月22日㈬、私の住む東京を含む7都府県に非常事態宣言が出て2週間くらい。外出自粛が強く強く呼びかけられた3月末の週末からは1ヶ月弱。昭和色の強いうちの職場ですら、輪番制で自宅待機をしたり、時短勤務になったりして、本当に大変だなぁと思っている。

 

オタクごとでいうと、行く予定でチケットを持っていた現場は2月末の朗読を皮切りに、5月半ばまでは中止が決まった。払い戻しだけで6桁円返ってくるらしい。怖…。多分もっと増えるだろうなぁ。

ちなみに最後の現場は3月1日㈰だった。つまり実に2ヶ月以上、現場がない。そんなばかな。人生で初めて追っかけをした(している)人を認識したのは、2007年の夏だった。初めて現場に行ったのはその年の11月。そこから実に12年と半年足らず。大学受験生だった年を除いて、こんなに現場がないのは初めてである。ここ数年の記録を見る限り、1ヶ月の土日の半分くらいは現場だったりそのほか友達と遊んだり、コラボカフェに行ったりしていたらしい。あと美容院行ったり。なるほど、道理で今がものすごく暇なわけだ。

 

さて、イベントやライブが自粛し始めたのは2月の半ば頃からで、世の中が「外出を自粛しよう!」という流れになったのは、3月くらいからだっただろうか。

私のツイッターのTL上では「オタクだから家にいるの得意」「オタクだから家にいて暇とかない、やることばっかり」「オタク以外の人はきついらしい、分からんけど」みたいなことを面白おかしく揶揄した沢山のツイートがバズっていた。かくいう私も陰キャオタクなので、「それな~~~」と思っていた。現場がなくとも、友達と遊ぶ予定やコラボカフェの予定がつぶれようとも、「予定がなくなったのは悲しいけど、まぁオタクだし外に出なくてもなんとかなるだろ」という心構えだった。

 

でも、違った。

どうやら私は、家の中で時間を潰すのがめちゃくちゃ下手だったらしい。

 

下手というかなんというか、なんかもうめちゃくちゃツラい。外に出たくてたまらん。仕事が完全に在宅になったわけではないので平日の半分くらいは出ているのだが、そうではない。そうではなく、自分の、好きなことのために、外に出たい。オタクらしく家の中での楽しみをどうこうとか、いや、無。ビビる。じゃーー逆に今まで予定のない日どうしてたか思い出してみようとするじゃん。予定なくても外に出てたんだよね。アウトドアな陰キャオタク。なんだそれ…。とりあえず外に出て、適当に買い物したり、適当に映画を見たり、適当にカフェで本読んだりしてた。「読書なら家で出来るし、映画だってアニメだって家でいくらでも見れるだろ」と思うじゃん?なんか、全然集中出来ないんだよ。これ何でですか?

あと仕事の方も、『週末に現場があるから』っていうのがなくなったために、メリハリがない。元々趣味のために仕事してるって思ってたからかな?感染リスクがあるなか電車乗って通勤しても、その先の楽しみがないから「なんで働いてるんや…?」が強くなってしまって、情緒に良くない。

 

それで、まぁ、元々希死念慮持ちだったので、なんかもう死にたいな~~ってなってしまった。この気持ち、少しずつなくなっていってたと思ってたんだけど、なくなってなかったらしい。12年前に現場厨になってから、「現場楽し~~~~!!!!」となることで隠すことが出来ていただけで、日に日に隠れなくなっていく。ちょっとやばいかな、と思うも時すでに遅く、「死にたいな~」と思うことがものすごく増えた。今まではうまいこといなせていたのが、今はあんまり上手に出来ない。

多分今まで「死にたいな~」って思っても、週末になれば現場があって、推しや友達に会えて、ハッピー♪となれていたし、平日もチケットの申し込みをしなきゃ、今日当落、支払いがいつまでで、発券して、交換探して、遠征なら交通手段確保して、着てく服考えて、手紙書いて、、、だったので、「死にたいな~」と思ったり考えたりする時間が断然少なかった。それはそう。だって1日はみんな等しく24時間だし。

 

そんな風に家の中ですることがなくて、ぼんやりしてると「死にたいな~」ってなっちゃうの、オタクとしてあまりにも引きこもるのが下手くそで絶望する。こちとら物心ついたときからのオタクぞ…??こんなんもうぴえん超えてぱおんですよ。言いたかっただけです。

しかもなんか、妙に冷静になってしまいませんか?来月のクレカの請求、全然ないし…。正直なところ、また現場が始まったとして、同じように狂えるのかも分からなくなってしまったな…きっと生きるために狂うんだろうけど。

 

そんなわけで、いかに自分がイベントやライブ、推しや友達に助けられていたかがすごく分かる自粛期間です。いつもありがとう…まじで…。早く好きなもののために自由に外に出て、みんなで集まって、楽しいことしたいね。友人各位、そのときまで私のこと忘れないでね…。

 

追伸:こんなんどう考えても精神が不安定だったので家で筋トレをしています。少し元気になれました。オススメの宅トレあったら教えてね。ジム行きて~~~~~!!!!!

舞台「サンリオ男子」と平成が終わること

12月1日と2日、私は神戸にいた。と書き出しはしたものの、今回の主題はそこではない。私と友人は土曜の朝に神戸に入り、物販に並び、ライブに入り、寝て、起きて、ライブに入り、日曜の夜に東京に帰った。よくある至って普通の遠征である。その遠征のなかでどんなきっかけだったか本当に一切合切覚えていないのだが、『サンリオ男子』の話になった。「そういえば、今、舞台やってるらしいよ」と。

サンリオ男子自体は発足当初から話題だったので知っていたし、私も友人もそれぞれなんとなく好きな子がいた。そんな話からまだチケットがあることを知り、なんか知らんけど勢いで買った。まじでよく覚えてない。ただこの友人とは数ヶ月前に一緒にピューロランドに行っていて、その時にメモミュ*1を観ていたことは大きかったかもしれない。サンリオ×ネルケ×伊藤マサミなら間違いなさそうだし、というような話はした、かもしれない。

 

まぁ、ここまで読み飛ばして頂いて大丈夫です(今言う???)

 

結論から言うと、本当に本当に面白かった。もともと露出が少なかった(というか多分舞台のために作られたであろう)新キャラだからこそ、かなり派手にキャラクターを作れたのが功を奏したのか、関西サンリオ男子の勢いが特にすごかった。ショートコントのように次々と繰り出される笑いの芝居に、何も考えずにただ笑える楽しさを観劇のなかでは久々に感じた。果たしてサンリオの名前を使った舞台で「童貞」というワードを使っていいのかと不安になったけど、彼らはただサンリオが好きな普通の男の子たちなんだなと思った。

 

「男の子がサンリオを好きだなんて・・・」みたいなことを主軸に置くのかと思ったから2000%コメディで驚いた。もう最初から「サンリオを好きなことに男の子とか女の子とか全然関係ないから!話の主軸そこじゃないから!」ってところまでいってたんですよね。そうなんですよ、男の子がサンリオを好きなこと云々よりも、一生童貞かもしれないことのが大事なんですよ、男子高校生は!知らんけど!だからね、『サンリオ男子の舞台』っていうけど『サンリオ(が好きな普通の)男子(高校生)の舞台』って感じだし、『男の子だろうが女の子だろうがサンリオを好きなのは別に普通』って前提なんだよね。

 

それを分かりやすくしてるのがサンリオ男子たちと関わりを持つ先生2人だった。彼らもまたサンリオ男子であるが、劇中では「サンリオおじさん」と自虐している。特に関東サンリオ男子の担任の菅見先生は、自己紹介でこんな風に言っている。

初めまして。生物を担当している教員の菅見直樹(すがみなおき)です。けろっぴが好き、なんて昔は言えなかったな。

先生たちは「俺たち来年30だぞ」と言っているので、この話が現代の・現在の話であるならば2人は平成元年生まれになる。平成元年生まれの先生たちは、自分の『好き』を言うことは出来なかった。それがどうしてか、平成初期生まれの同世代としては正直めちゃくちゃ分かる。『性差別』と言ったら大げさに言い過ぎなんだけど、自分が小さかった頃は確かにまだ「女の子はこうあるべき」「男の子はこれをするべき」みたいな謎風潮あった。男の子が『好きなもの』あるいは女の子が『好きなもの』っていうのは誰かに決められていたし、それが正しかった。『好き』に正しいも正しくないもないって、今なら分かるんだけど。んでもってその『正しくない“好き”』は、馬鹿にされたり、笑われたりしたんだよな。

 

ところがサンリオ男子の彼らは、先生よりたった15年かそこら生まれるのが遅かっただけで、こんなにも『好き』に正直だ。それはインターネットとSNSの普及で、若い人の持つ世界がかなり広がったからっていうのももちろんある。同じものを好きな人間がいること、そしてそのことを知っていることは、強いよね。劇中で主人公の康太くんがずっと追い求めてた『キラキラすること』は、『好きなものを好きっていうこと』。これが出来るようになったのは、平成の時代で1番大きくて素敵な変化だ。

少し話逸れるけど康太くんたちが生まれたその更に15年後には男の子がプリキュアになったから、すごいなぁと思います。平成30年間で、ここまで変わるんだよ。

 

 

「平成最後の○○」という言葉はもはや多用されすぎていて、世間からは若干の飽きを感じざるを得ない。けれどこの舞台が、平成が終わる前に上演されてよかったなと思う。平成が終わっても、次の元号も、『自分の好きなものを好きって言える』時代、サンリオ男子たちのように、みんながキラキラできる時代へと、続いていけばいいなぁと願うばかりです。

 

まーーーーーーそんなことはさておいて円盤出るので早くみんなで見たいですね。いつか私の骨壺には、サンリオ男子の円盤を入れてください。あとVitaminのイベントの円盤がいいです。あの世でもゲラゲラ笑いたい。そんで、あの世でも好きなものを好きって言い続けたいですね!良いお年を!

*1:サンリオピューロランドで毎日やってる40分くらいのミュージカルショー

杏果のいないももクロを見てきたよ

久しぶりに母と地元で飲んだ。本当にたまたま、私に現場の予定がなくて、父は同窓会か何かで出かけていて、母も特にすることのなかった土曜の夜。「今日は外でごはんにしよっか」という母の誘いを、春から夏にかけて遠征をしまくった後遺症を未だに引きずっている私は「お金がないので地元がいいです」と我侭を言って受けた。地元の安くておいしい居酒屋が、私は好きだ。

一緒に住んでいるので大して目新しい話もなく、お互いの仕事の愚痴や、姉が送ってくれる世界一可愛い甥っ子の写真のこと、色んなことをとめどなく話した。そんな世間話のひとつとして、私は「そういえばももクロのファンクラブの更新メールが届いたんだよね」と言った。

 

私はももクロのファンクラブを一度やめている。社会人になったころだ。都心から少し外れたところで働いている私は、平日の現場に行けなくなったことを理由に、ももクロのファンクラブを辞めた。それからはモノノフを名乗ることもなくなった。CDを買うだけの自分をファンだということにためらいがあった。

 

そして今年の1月、有安杏果引退の知らせを受けた私は急きょファンクラブに入会しなおした。本会場のチケットは、当たらなかったけれど。

母もその経緯を知っているので、「もう1年になるのかぁ」と零した。「もう1年じゃないよ、まだ1年だよ」と言いながら手元のグラスを空にした私を見て、ほとほと呆れたように母は言った。 「なに、あんたまだ引きずってるの」 私は通りすがりの店員にレモンサワーのおかわりを注文したあと、少し考えながら言葉を紡いだ。

 

この感覚が『引きずってる』ってことなら、多分、私は、一生引きずるよ。

 

 

 

10月に、ももクロ主演のミュージカル『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?』を見た。姉と連番したのは、いつ振りだったんだろうか。ももクロの現場で何色の服を着て、何色のキンブレを振ればいいのか分からなくなった私は、「ミュージカルならメンカラーを纏う必要がないから」とチケットを取った。私は1月に公式関連や川上マネージャー、情報アカウント系をすべてフォロー解除していたので、観劇前日に姉に「二幕はキンブレ推奨らしいよ」と言われ、絶句した。「刀ミュかよ」と思ったが姉には伝わらないので、「ショーってこと?宝塚かよ」と返信した。*1ちなみに宝塚も伝わらなかった。姉ェ…

 

まっ結論から言えば刀ミュでも宝塚でもなく、劇中ライブだったわけですが!

 

ミュージカル全体、そのものは、うーーーーん?って感じだった。値段分の価値、くらい。脚本が好みじゃなかったのが大きいかも。だって結論の出し方、高校生の論文みたいだった。「みんなが一生懸命生きればそれがダンスになる(要約)」って、なんか『このテーマについて書きましょう』って課題に、少しテーマが逸れちゃったけどなんとなく最後適当にそれっぽいこと言ってテーマにまとめたように見せて終わり!みたいな。学生のころよくやってたなぁと思ったよ。

ジュークボックス・ミュージカルなので、既存のももクロ楽曲が使われてくるわけだけど、サラバとか黒い週末めちゃくちゃかっこよかった。歌う人が違うだけでこんなにミュージカル楽曲になるの、すごい。パワーのあるミュージカル女優さん大好きだから、その辺はとても楽しかった。

プラスに言えばこれは『ももクロじゃなければ上演できないミュージカル』だった。でもそれは役と役者がとても似ているとか、そもそも下の名前そのままだし、内輪ネタの多さとか、そういうの。キャストを変えて再演とか、多分ないだろうからそれはそれで興行としてはありなんじゃないかな。このミュージカルのターゲットであるももクロのファンは、あのキャパでライブ感味わえて超楽しいだろうなって、分かるし。

 

いや批評的なことが書きたかったわけじゃないのよ。ほんとほんと。ミュージカルそのものの感想はそんなに悪くはない。ほんとほんと。

 

劇中で、カナコ達4人を含む9人?くらいのアイドルグループが結成される。そのグループでトップアイドルを目指すんだけど、途中でどんどんメンバーが辞めて行ってしまう。色んな理由で辞めて行くメンバーに対して、カナコは「それが正解!」って背中を押す。

そしてメンバーが6人になったとき、「ここからは別次元!」と銘打たれる。

 

悪趣味だと思った。いっそ触れてくれるなと思った。

だってももクロの4人以外のアンサンブルの2人の背格好が、髪型が、あかりんとももかにそっくりだったから。

ここに立つ有安杏果を見たかったと、その幻に泣いてしまった。

私はまだ、ももクロ有安杏果が好きなんだと思い知った。

 

案の定劇中のその2人も辞めてしまって、「やっぱりこの4人だったね」みたいに笑いあうカナコ・シオリ・アヤカ・レニ。それを見たら、私の戻る場所はここにはないんだなと感じた。そして私もカナコのように「それが正解」と思った。私はどうしても、この先も、ももクロの現場に行ったらそこに有安杏果を求めてしまう。その感情は、いつだって前に前に進んでいくももクロの前ではあまりにも、あまりにも不必要で…うまく言えないけど、言葉を選ばずに言えば、不純物、だと思う。

 

 

でもじゃぁ一体どうすればいいんだろうな。このミュージカルを通して気付いてしまったよ。私は『ももクロ有安杏果』が好きだったんだって。でも今存在しているのは『ももクロじゃない有安杏果』か『有安杏果のいないももクロ』なわけで。どうすりゃいいんだ、ほんとに。

今の有安杏果を推しというには違和感しかないし(というか一般人の推しってなんだ?)(それはもはや普通の恋では?)だからといってももクロに推しはいないんだもんな。4人のことも大好きだけど、箱推しというにはほど遠い。難しいな。いやそうでもないか。好きなものが、なくなっただけだ。

 

きっと私は、ファンクラブを更新しないだろうな。

 

 

 

芸能界を引退した芸能人なんて山ほどいて、じゃぁ推しが芸能界を引退したオタクはきっと星の数ほどいるんだろう。私は幸運なことに(?)推しが芸能界を引退したのは今回が初めてで、他に応援している人たちもこの先芸能界を辞めることはまぁないだろう。…いや、杏果だって辞めないと思ってたんだ。絶対なんてないね。反省。みんなどうやって乗り越えたんだろうな。私はまだ抱えてるよ。きっと一生ふさがらない、穴。たとえ杏果が芸能界に戻って来ても、もう『ももクロ有安杏果』は戻っては来ない。だから私は、一生、引きずる。

 

ちなみにこのブログに特にうまい感じのまとめはない。ただ「一生懸命生きればそれが(きっと巡り巡ってまたみんなと踊る)ダンスになる」というのなら、いつの日かはご縁が巡ってまた違った形でももクロと、そして杏果と向き合ったり、同じ方向を向けたりするんじゃないかな。はい、これが適当にそれっぽいこと言ってテーマに繋げるやり方です。なんつって。

 

我ながら「ザ・はてなブログ」っぽいブログが書けたと思います。

 

 

 

余談というか、今回のオチ。

杏果が辞めたあと、やっぱり女の子の推しが欲しくて色んなアイドル現場を見て、「この子推せるかも」と思った子と6月にチェキを取ったのですが、その子は9月にグループを卒業しました。女性アイドルを推す才能が、あまりにもない!!!!

 

もし、歌がエモくてダンスがダイナミックで、可愛いんだけどバラエティ班、やることなすこと全力体育会系の女性アイドルをご存じでしたら教えてください。推そうとすると辞めてしまうので、ほどほどに遠くから応援します。アディオス。

 

*1:宝塚がキンブレ振ると思ってるわけじゃないよ