持ちつ、持たれつ。

声豚・現場厨・懐古のクソ三拍子

杏果のいないももクロを見てきたよ

久しぶりに母と地元で飲んだ。本当にたまたま、私に現場の予定がなくて、父は同窓会か何かで出かけていて、母も特にすることのなかった土曜の夜。「今日は外でごはんにしよっか」という母の誘いを、春から夏にかけて遠征をしまくった後遺症を未だに引きずっている私は「お金がないので地元がいいです」と我侭を言って受けた。地元の安くておいしい居酒屋が、私は好きだ。

一緒に住んでいるので大して目新しい話もなく、お互いの仕事の愚痴や、姉が送ってくれる世界一可愛い甥っ子の写真のこと、色んなことをとめどなく話した。そんな世間話のひとつとして、私は「そういえばももクロのファンクラブの更新メールが届いたんだよね」と言った。

 

私はももクロのファンクラブを一度やめている。社会人になったころだ。都心から少し外れたところで働いている私は、平日の現場に行けなくなったことを理由に、ももクロのファンクラブを辞めた。それからはモノノフを名乗ることもなくなった。CDを買うだけの自分をファンだということにためらいがあった。

 

そして今年の1月、有安杏果引退の知らせを受けた私は急きょファンクラブに入会しなおした。本会場のチケットは、当たらなかったけれど。

母もその経緯を知っているので、「もう1年になるのかぁ」と零した。「もう1年じゃないよ、まだ1年だよ」と言いながら手元のグラスを空にした私を見て、ほとほと呆れたように母は言った。 「なに、あんたまだ引きずってるの」 私は通りすがりの店員にレモンサワーのおかわりを注文したあと、少し考えながら言葉を紡いだ。

 

この感覚が『引きずってる』ってことなら、多分、私は、一生引きずるよ。

 

 

 

10月に、ももクロ主演のミュージカル『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?』を見た。姉と連番したのは、いつ振りだったんだろうか。ももクロの現場で何色の服を着て、何色のキンブレを振ればいいのか分からなくなった私は、「ミュージカルならメンカラーを纏う必要がないから」とチケットを取った。私は1月に公式関連や川上マネージャー、情報アカウント系をすべてフォロー解除していたので、観劇前日に姉に「二幕はキンブレ推奨らしいよ」と言われ、絶句した。「刀ミュかよ」と思ったが姉には伝わらないので、「ショーってこと?宝塚かよ」と返信した。*1ちなみに宝塚も伝わらなかった。姉ェ…

 

まっ結論から言えば刀ミュでも宝塚でもなく、劇中ライブだったわけですが!

 

ミュージカル全体、そのものは、うーーーーん?って感じだった。値段分の価値、くらい。脚本が好みじゃなかったのが大きいかも。だって結論の出し方、高校生の論文みたいだった。「みんなが一生懸命生きればそれがダンスになる(要約)」って、なんか『このテーマについて書きましょう』って課題に、少しテーマが逸れちゃったけどなんとなく最後適当にそれっぽいこと言ってテーマにまとめたように見せて終わり!みたいな。学生のころよくやってたなぁと思ったよ。

ジュークボックス・ミュージカルなので、既存のももクロ楽曲が使われてくるわけだけど、サラバとか黒い週末めちゃくちゃかっこよかった。歌う人が違うだけでこんなにミュージカル楽曲になるの、すごい。パワーのあるミュージカル女優さん大好きだから、その辺はとても楽しかった。

プラスに言えばこれは『ももクロじゃなければ上演できないミュージカル』だった。でもそれは役と役者がとても似ているとか、そもそも下の名前そのままだし、内輪ネタの多さとか、そういうの。キャストを変えて再演とか、多分ないだろうからそれはそれで興行としてはありなんじゃないかな。このミュージカルのターゲットであるももクロのファンは、あのキャパでライブ感味わえて超楽しいだろうなって、分かるし。

 

いや批評的なことが書きたかったわけじゃないのよ。ほんとほんと。ミュージカルそのものの感想はそんなに悪くはない。ほんとほんと。

 

劇中で、カナコ達4人を含む9人?くらいのアイドルグループが結成される。そのグループでトップアイドルを目指すんだけど、途中でどんどんメンバーが辞めて行ってしまう。色んな理由で辞めて行くメンバーに対して、カナコは「それが正解!」って背中を押す。

そしてメンバーが6人になったとき、「ここからは別次元!」と銘打たれる。

 

悪趣味だと思った。いっそ触れてくれるなと思った。

だってももクロの4人以外のアンサンブルの2人の背格好が、髪型が、あかりんとももかにそっくりだったから。

ここに立つ有安杏果を見たかったと、その幻に泣いてしまった。

私はまだ、ももクロ有安杏果が好きなんだと思い知った。

 

案の定劇中のその2人も辞めてしまって、「やっぱりこの4人だったね」みたいに笑いあうカナコ・シオリ・アヤカ・レニ。それを見たら、私の戻る場所はここにはないんだなと感じた。そして私もカナコのように「それが正解」と思った。私はどうしても、この先も、ももクロの現場に行ったらそこに有安杏果を求めてしまう。その感情は、いつだって前に前に進んでいくももクロの前ではあまりにも、あまりにも不必要で…うまく言えないけど、言葉を選ばずに言えば、不純物、だと思う。

 

 

でもじゃぁ一体どうすればいいんだろうな。このミュージカルを通して気付いてしまったよ。私は『ももクロ有安杏果』が好きだったんだって。でも今存在しているのは『ももクロじゃない有安杏果』か『有安杏果のいないももクロ』なわけで。どうすりゃいいんだ、ほんとに。

今の有安杏果を推しというには違和感しかないし(というか一般人の推しってなんだ?)(それはもはや普通の恋では?)だからといってももクロに推しはいないんだもんな。4人のことも大好きだけど、箱推しというにはほど遠い。難しいな。いやそうでもないか。好きなものが、なくなっただけだ。

 

きっと私は、ファンクラブを更新しないだろうな。

 

 

 

芸能界を引退した芸能人なんて山ほどいて、じゃぁ推しが芸能界を引退したオタクはきっと星の数ほどいるんだろう。私は幸運なことに(?)推しが芸能界を引退したのは今回が初めてで、他に応援している人たちもこの先芸能界を辞めることはまぁないだろう。…いや、杏果だって辞めないと思ってたんだ。絶対なんてないね。反省。みんなどうやって乗り越えたんだろうな。私はまだ抱えてるよ。きっと一生ふさがらない、穴。たとえ杏果が芸能界に戻って来ても、もう『ももクロ有安杏果』は戻っては来ない。だから私は、一生、引きずる。

 

ちなみにこのブログに特にうまい感じのまとめはない。ただ「一生懸命生きればそれが(きっと巡り巡ってまたみんなと踊る)ダンスになる」というのなら、いつの日かはご縁が巡ってまた違った形でももクロと、そして杏果と向き合ったり、同じ方向を向けたりするんじゃないかな。はい、これが適当にそれっぽいこと言ってテーマに繋げるやり方です。なんつって。

 

我ながら「ザ・はてなブログ」っぽいブログが書けたと思います。

 

 

 

余談というか、今回のオチ。

杏果が辞めたあと、やっぱり女の子の推しが欲しくて色んなアイドル現場を見て、「この子推せるかも」と思った子と6月にチェキを取ったのですが、その子は9月にグループを卒業しました。女性アイドルを推す才能が、あまりにもない!!!!

 

もし、歌がエモくてダンスがダイナミックで、可愛いんだけどバラエティ班、やることなすこと全力体育会系の女性アイドルをご存じでしたら教えてください。推そうとすると辞めてしまうので、ほどほどに遠くから応援します。アディオス。

 

*1:宝塚がキンブレ振ると思ってるわけじゃないよ