持ちつ、持たれつ。

声豚・現場厨・懐古のクソ三拍子

今日、推しがいない。~有安杏果卒業に寄せて~

2018年1月21日、推しがアイドルを卒業した。

1月15日正午の発表からわずか1週間での卒業。

私はこの1週間を忘れることはないだろう。

それはこの先新しく推せると思える人に出会えても。

 

今更って思われると思うんだけど(私も思ってる)

ようやく言葉にする勇気が持てたので、まとめたいと思う。

 

私がももクロに出会ったのは大学生の頃。

友人に勧められて見た、サンタさんのMVで、落ちた。


【ももクロMV】サンタさん / ももいろクローバーZ(MOMOIRO CLOVER Z/SANTA SAN)

サムネ左下のポンパこそ、私の推し、先日卒業した有安杏果ちゃん。

何が衝撃だったかといえば、その歌唱力。

それまでアイドルというものに縁遠かった私は、こんなに歌の上手い子がいるとは思っていなかった。

とりあえず見て。このMV、女性受けが絶対にいい。それくらい圧倒的に、可愛い。

 

そこからは一気にハマっていった。

現場にも足を運んだ。西武ドームや、武道館の女祭り。

国立はLVで見て、笑顔の天下で大号泣した。かなちゃんさすがだなって思った。

私は普段は男性声優のオタクをしているので、全然違う客層も楽しかった。

コールをしたりMIXを入れたり振付を真似したり、そういう一体感が好きだった。

人生で初めてもらったファンサは、しおりんから。

コスノフだった私と姉を見つけて指をさして手を振ってくれた。

 

そしてその頃の私は、いつも、杏果の担当カラー、緑を着ていたんです。

杏果の歌はどんなときでも私に勇気をくれたし、杏果が小さな身体を目いっぱい動かして踊っていると、自分も頑張ろうって本当に本当に心の底から思えた。

音楽を楽しんで、私たちに届けてくれる杏果が、本当に自慢の推しだった。

 

でも、私は笑顔の天下発言を聞いたあと、しばらく現場から遠ざかってしまった。

というのも、きっと国立での5人を見て満足したつもりだった気持ちとか、

まぁ他にもファン同士のあれこれが少し億劫になっていったりとか、

男性声優の追っかけで地方に行くことが増えたりとか、

社会人になったことで平日の現場に行けなくなったりとか。

気付いたらCDを買うだけのライトなオタクになっていた。

 

だから、卒業が発表されて混乱する私を埋め尽くした一番大きな感情は、後悔だった。

 

もっと現場にいけばよかった。好きだって言えばよかった。

コールを叫びたかった。ファンレターもっと出せばよかった。

もっともっと杏果の歌を聴きに行けばよかった。

 

それから1週間、なんで?って気持ちと、ごめんねって気持ちと、そして何より大きな後悔の気持ちで、心と身体がいっぱいで、気を抜くと泣いてしまいそうで、正直よく毎日会社に行けたよなって思う。

「お疲れ様って言ってほしい」って言った杏果に、その言葉が言えなかった。

ファン失格だと思った。

ネット上には憶測だらけの記事と、杏果を非難する声とがあふれていた。

見ない方がいいって分かってるのに、どうしても見てしまう。

そして勝手に腹を立て、悲しんで、何をやっていたのだろうと今なら思う。

でもそうするしかなかったんだよ。行き場のない気持ちをぶつける先を探していたんだ。

 

激動の1週間はとても長くて、それと同時に驚くほどあっという間で。

ラストライブの幕張は、イベントホールのLVに参加することが出来たけど、

当然その日までに心の整理なんかついていなくて。

周りの杏果推しの格好をした人たちは、どう思ってたんだろうね。

ライブ前のご挨拶で5人が来てくれたとき、言葉にできない思いでいっぱいになって、ただただ泣きながらみんなの事を見てた。

ライブ中も「このコールをするのは、このMIXを入れるのは、今日が最後なんだ」って思ったら、もう私には泣き叫ぶことしか出来なかった。

ライブを見ながら、この1週間何度も繰り返した後悔を、ずっとしていた。

 

杏果、最後まで泣かなかったね。それなのにファンの私がずっと泣いていてごめんなさい。そんな強いところも大好きでした。

杏果が泣いてしまったら、なんで辞めるの!ってなっちゃうもんね。

緑推しだけじゃない、ファンみんなのことを第一に考えて、自分を犠牲にしたんだね。

自分の事を奇跡だって思ったことがないって、この期に及んでそんなこと言っちゃう。

これだけの実力がありながら、いつだって自分に自信を持てない杏果が、あんなに堂々とパフォーマンスしてるのが、好きだったんだよ。差し出がましいけど、支えたいって思ったんだよ。

10周年を5人で迎えたかったって言葉が、貴方の本心に聞こえました。

それでも自分だけが辞めたい気持ちを持ったままではいけないと、

10周年は、残るみんなのためにあるものだと、身を引いてしまったのかなって。

いつだって自分より他人を大切にする杏果が、憧れで、推しでした。

 

最後に歌った4人の「あの空へ向かって」では、もう駄目だった。

私はももクロの現場では、いつも緑を着て、緑のライトを振っていたけど。

今日からどうしたらいいんだろう?私のこの緑色を見せる人はいないんだよ。

ももクロのライブで初めて棒立ちになった。何もできないままただただ泣いてた。

崩れ落ちてしまわないように必死だった。震えが止まらなかった。

もう、私の推しは、いない。

終わったあとの記憶は正直ほとんどない。多分この世の終わりみたいな顔をして帰ったんだろうな。

 

もうすぐあの激動の1週間から、1か月が経つ。

今日も、私の推しはいない。

それを未だに受け止め切れていない自分に苦笑いも出ない。

 

これから先もきっと、杏果以上の推しに出会うことなんてないんだと思う。

それだけ私の中で杏果との出会いは、衝撃的で、唯一だった。

そもそも私の人生において、女性アイドルを推すということがあるなんて。

杏果に出会ってなかったら知らなかった楽しいことが沢山あった。

杏果だけが見せてくれる世界の煌めきが、優しくて切なくて愛おしくて大好きだった。

 

 

何色を着て、何色のペンライトを振ればいいのか、どんな顔をすればいいのか、全然分からないから、今後のライブの先行は申し込めませんでした。

だって行ったら、きっと私だけ、別の方向を向いてしまう。

この景色を、杏果にも見てほしかったって、思ってしまう。

それはももクロの4人にも、そしてモノノフのみなさんにも、失礼なことだと思うから。

完全にももクロから離れてしまうのかどうかは、まだ分からない。

ゆっくり焦らず、決めていけたらいいなって思ってます。

 

 

あの日、私の推しはいなくなりました。

今日も、推しはいません。

明日も、推しはいない。

いつそうなるかなんて誰にも分からないけど、それは突然に、そうなる。

推しが当たり前にいることのありがたさなんて、なかなか気付けないよね。

でもいつかまた同じことになったときに、今度はもう少し後悔しないようにしたい。

 

推しの大好きだった歌を口ずさむと、まだ少し苦しいけれど、

推しに会えるような気がして、そうやってこの悲しみを、心の穴を、

越えていけたらなって思います。

 

みんなも推しごとに後悔のないようにな!!!!!!!!!!!